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■競馬必勝法の検証

　このコーナーは、世に言う「競馬必勝法」の検証を通じて、皆さんに「投資法を工夫することの有効性」と「有効な投資法を考案・実行することの難しさ」を見出していただくことを目的としています。
　競馬で儲けようとする場合、投資法を考えることは非常に重要です。なぜなら、投資法を工夫することによって均等買いよりも回収率を大きくすることができるからです。
　では、なぜ均等買いより回収率を大きくすることができるのでしょうか。答えは簡単で、的中したときに投資金が最大となるようにしているからです。
　ならば、ただ闇雲に的中するまで投資金を増やせばよいというものなのでしょうか。こたえはもちろんNOです。なぜなら資金には限りがあり、資金が無くなればもうそれ以上投資することができなくなるからです。投資金が激しく増大する方法は、いつか必ずパンクする「必敗法」でしかありません。
　効果的な競馬投資法を考え出すことの難しさはこの２点にあります。投資金を的中するまで増やし続けなければならないが、資金がパンクしてはいけないのです。このことを理解していただいた上で、競馬必勝法とされている有名な投資法を検証してみましょう。

■１．マーチンゲールの法則

　ギャンブル好きの方、ギャンブル必勝法を考えたことがある方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。この方法は、１レース目に１０００円投資する場合、２レース目は２０００円、３レース目は４０００円、以降８０００、１６０００、３２０００、６４０００、・・・・とはずれるたびに投資金を倍にしていくというものです。オッズが２倍以上つけば的中した時点で利益が出るようになっています。
　この方法は、不的中が続くと投資金及び累積投資は瞬く間に膨れ上がります。１０００円スタートの場合、１０レース目の投資金は５１２０００円、累積投資は１０２３０００円となり、２０レース目の投資金は５２４２８８０００円、累積投資は１０４８５７５０００円にまで膨れ上がります。ハマリをくらうとすぐに資金不足に陥ることは明らかで、必勝法として成立しそうにありません。

■２．モンテカルロの必勝法

　まず、オッズが３倍以上つくものに対して投資することが条件です。
　この投資法を実行するには紙と鉛筆を用意することが望ましいでしょう。まず紙に、１・２・３と書きます。初めの投資金は数列の両端の1と3を足した４単位となります。話をわかりやすくするためここでは１単位＝１００円とします。つまり１レース目の投資金は４００円です。外れた場合、次のレースの投資金は、先の数列に４を加え、数列１・２・３・４の両端１と４を足した５単位５００円となります。外れた場合、次のレースでは数列は１・２・３・４・５となり、投資金は６単位６００円。以降外れるたびに、数列に前のレースに投入した単位を加えていき、結果として投資金は１単位ずつ増していきます。
　当たった場合は数列の数字を両端から２つずつ消します。つまり１・２・３・４・５・６・７の時に的中すれば、次のレースでは数列は３・４・５となり投資金は両端を足した８単位８００円となります。
　ここで外れると、次のレースでは数列に８を加え、数列は３・４・５・８となり、
３＋８＝１１より１１単位１１００円が投資金となります。
　あとは数列の数字が残り１つまたは０になるまで同様のことを繰り返し、数列の数字が残り１つまたは０になったときにはほとんどの場合利益が出ているというのがモンテカルロの必勝法です。（以後投資を続ける場合は初めからやり直します。）
　この方法、投資金の増加が緩やかで実行可能性が高いということで、ヨーロッパでは有名らしく、多くのエセ競馬必勝本並びにエセ競馬必勝HPにおいて「必勝法」として崇拝されています。でもちょっと待ってください。実はこの方法にはエセ必勝本には決して記述されることのない重大な欠陥があります。的中率が２０パーセント以上ないと永久に数列がなくならないのです。こんなに大事なことをどうして教えてくれないのでしょうか、K.Yさん？？？

■３．ココモ式必勝法

　オッズが３倍以上つくものに対する投資法で、初めの投資金は１の１００円。外れるたびに２、３、４、・・・と的中するまで投資金を下表に従い増やしていきます。的中したら１にもどり同じことを繰り返します。１０レース連続（←もっと追いかけても良い。各自で区切りをつける）外れた場合は一旦損失を計上し、１からやり直すというのがココモ式必勝法です。
　１０レース以内にオッズ３倍以上を的中させ続けられる、つまり損失計上の憂き目に１度も遭わないというのなら大変儲かるでしょうが、１０連敗による損失計上に遭遇するようでは、ほとんど利益は出ません。やはり必勝法というには無理があります。「オッズ３倍以上」かつ「１０連敗はするな」なんて無茶を言ってはいけません。

	投資
1	100
2	100
3	200
4	300
5	500
6	800
7	1300
8	2100
9	3400
10	5500

■４．結論

　有名な方法はすべて非現実的と言わざるを得ません。その原因は、マーチンゲール、ココモ、モンテカルロ、これら３つの方法に共通する欠点にあります。これら３つの方法は、投資法を工夫することのみによって「算術的に」儲けようとしているだけであって、的中率および回収率を完全に無視しているのです。的中率および回収率が低いものにこれらの方法を採用しても、いつか喰らう連続不的中によって資金がパンクするだけです。

　結論　：　投資競馬は、的中率ならびに回収率がある程度見込めるものに採用するからこそ大きな効果が期待できるのです！

　最後に。実際に投資競馬を実践される際には資金管理に十分注意を払ってください。もうお解りの事とは思いますがが、激しく投資金が増大する方法は資金のパンクを期限に繰り返される「必敗法」でしかありません。